アートと障害のアーカイブ・京都

木村 全彦

KIMURA Masahiko

1984年生, 京都府京都市在住
絵画
京都市ふしみ学園 アトリエやっほぅ!!

プロフィール

 

 木村全彦の絵は、遠目には色の斑点の集合によって描かれているように見えるが、近寄ってみるとその一つ一つが、木の枝のような、あるいはくさび形文字のようなギザギザした線で描かれているのがわかる。それらは、くさび形文字を意味するラテン語のcuneiform(キュニフォーム)から、キュニキュニという愛称で呼ばれている。彼の作品の多くは深い色彩を持ち、ギザギザした細部ともあいまって、心をざわつかせるような気配を持ちながらも、不思議と見る人を引き込む。くさび状の模様は、時に補色かそれに近い色の上に重ねられていて、独特の視覚的効果を生んでいる。
 モチーフは、その時の彼の興味や近況、あるいは地元に関係するものなど、その都度、支援員と相談しながら決めている。描く時は、モチーフとなる写真などの資料を頻繁に見ながら、左手に何本もの色鉛筆を握り、密に書き込んでいく。画面の細部からキュニキュニが増殖するように描き進めるため、時には画面上に収まるのはモチーフのごく一部だけになることもある。作画に集中しすぎて疲れるため、作品が完成して次作にとりかかるまで絵を描かずに雑誌などを読んで過ごすことも多い。
 もともと、京都市ふしみ学園にて陶芸の下絵をかいていたが、2008年に施設内に新しくできた「アトリエやっほぅ!!」に参加し、本格的に絵を描き始めた。その迫力ある画面の一方で、本人はどこか飄々としている。バラエティー番組や競馬が大好きで、例えば「笑っていいとも!」のある放送回分を暗記していて通しで呟いたり、架空の競馬の実況をしたり(最後には必ずジョッキーが落馬するというオチがつく)、アトリエでのストレッチなどのプログラムではムードメーカー的存在でもある。
 まれに、資料を見ずに想像だけで描くときもあるが、その時は、拙い線の可愛らしいイラストのような絵になり、キュニキュニも出てこないから不思議である。

受賞歴

2009年
「旬の食材」 産経はばたけアート大賞
2010年
「ブルートレイン」 産経はばたけアート大賞
2011年
「写楽」 産経はばたけアート佳作
2012年
「京都タワー」 産経はばたけアート優秀賞
「水牛」 かんでんコラボアート入選
2015年
「ベスパ」 かんでんコラボ・アート審査員特別賞
「オオカミ」 ポコラート入選
2016年
「東京の思い出」 ポコラート入選
「彦根城」 産経はばたけアート佳作
2017年
「サッカー選手」 SONPOパラリンアートカップ2017 審査員特別賞

出展歴

【個展】
2016年
木村全彦展CUNEI CUNEI(京都/art space co-jin)
同 巡回展(京都/あうる京北)
2018年
感覚の視点-木村全彦個展-(奈良/たんぽぽの家アートセンターHANAギャラリー)
【グループ展】
2011年
SUPERPOSITIVE 世界への愛着(京都/みやこめっせB1F)
2012年
アールブリュット展~人の果てしなき創造力に出会う!~(佐賀/佐賀県文化会館)
2013年
ポコラート全国公募展Vol.4(東京/アーツ千代田3331)
エイブルアート近畿2013ひと・アート・まち京都「京・まちの彩」(京都/知恩院和順会館)
2014年
第3回アウトサイダーアート2014豊橋(愛知/豊橋市美術博物館)
KYOTO L’art brut 6 EXHIBITION (京都/oinai karasuma)
天才アートミュージアム2014(京都/堀川御池ギャラリー)
コラボ・アート21(大阪/梅田スカイビル40F)
2015年
第4回アウトサイダーアート2015豊橋(愛知/豊橋市美術博物館)
ポコラート全国公募展Vol.6(東京/アーツ千代田3331)
天才アートミュージアム2015(京都/堀川御池ギャラリー)
アールブリュット ユートピアの創造主たち(滋賀/大津プリンスホテル)
2016年
NAKANO~街中まるごと美術館~アール・ブリュット一人の無限の創造力を探求する2017(東京/サンプラザ)
安倍総理と障害者の集い(東京/首相官邸)
福祉の現場で生まれるアート展(大阪/大阪デザイン振興プラザ(ODP))
エイブルアート近畿2016ひと・アート・まち和歌山「電車天国」(和歌山/JR紀伊田辺駅に隣接するギャラリー)
第5回アウトサイダーアート2016豊橋(愛知/豊橋市美術博物館)
2017年
京都文化力プロジェクト推進フォーラム(京都/ロームシアター京都サウスホール)
フランス障害者の文化芸術国際交流事業 ジャパン×ナントプロジェクトKOMOREBI展(フランス/フランス国立芸術センター「リュー・ユニック」)
山梨アール・ブリュット展つなぐ・きらめき(山梨/甲府市藤村記念館)
同 巡回展(山梨/富士レークホテル)
アール・ブリュット展~創造の可能性に出会う~(東京/ビックサイト)
東京だよ!「アトリエやっほぅ!!」(東京/J’GALLERY&CAFÉ)
2018年
アール・ブリュット展~個々に宿る創造のカタチ~(東京/国立新美術館)
第2回山梨アール・ブリュット合同企画展~親密なるまなざし~ 山梨/山梨県立美術館)
~いちばん身近な美術展~アール・ブリュットde街おこし展2018(東京/野方WIZ  2FギャラリーA・B)
アール・ブリュット 動く壁画(滋賀/ボーダーレス・アートミュージアム NO-MA)

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