作家一覧
Artists
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池上 洋二 IKEGAMI Yoji
1974年生 | 絵画
図鑑や写真を見ながら、大胆な構図と色使いで動物や植物を描く。気に入ったモチーフは繰り返し描かれるが、配色や混色についてはその都度、変化している。斬新な表現の中にも工夫が見られ、描かれる線は生き物の力強い存在を余すところなく表している。制作中は、職員や他の施設利用者とのやり取りや冗談を交え、楽しみながら描き進めている。
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上羽 千春 UEBA Chiharu
1979年生 | 京都府舞鶴市在住 | 刺繍
刺しゅうと掃除が好き。作業中は職員と言葉あそびをして楽しむこともある。自分で下絵を描き、いろいろな色のミシン糸を合わせて、糸を作ってから刺しゅうを始める。色合わせ、糸作り、刺しゅうの構図、どれを取ってもオリジナルであり、「ちはるステッチ」ができあがる。
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宇仁 英宏 UNI Hidehiro
1978年生 | 京都市在住 | 絵画
中学生の時に、アトリエ・ウーフに入会、当時の絵は小さな画用紙には収まりきれず、切ったり貼ったりくっつけたりと立体的になり、やがて油絵で開花した。大胆な構図と、若々しくシュールな色づかい。壁のように絵具を何重にも塗り込めたマチエールが魅力的。現在もアトリエ・ウーフの同じ席で、マイペースに制作を続けている。
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長村 良彦 OSAMURA Yoshihiko
1968年生 | 京都市在住 | 絵画
色彩が好き、でも描きたいものが見当たらない。ならば「型」があれば描けることに着想し、2011年頃から「テンプレート定規」を使った絵画制作に励んできた。
数多く所有している定規の中から、動植物や幾何学模様など様々な形を細やかに構成していく。下絵にはカラー芯シャープペンシルを使用し、その後シャープペンシルのクリーナーピンを取り付けた自作のペンで着色する。半年近くかけて制作される作品からは、反復する図像の美しさと可能性、描くことへの色気に溢れている。 -
川村 章夫 KAWAMURA Akio
1961年生 | 京都府城陽市在住 | 絵画
昔から絵を描くのが好きだったという川村。DOでは2010年頃からの彼の作品が残っている。今はクラブ活動時間以外でも居室でよく絵を描いており、時間があれば気が済むまでスケッチブックと向き合っている。そんなスケッチブックの冊数は100冊を超えており、広げてみると全て細かく彩り描かれており、同じようで少しずつ違う…。そこには川村の世界が広がっている。特にお気に入りは東京タワーだそうで、東京タワーを中心とした東京都市や琵琶湖、比叡山などカラフルな絵たちを描いている。
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木引 英明 KIBIKI Hideaki
1960年-2021年 | 絵画
12歳頃、父親の仕事の関係で大阪から茨城へ引っ越し、その後千葉へ移る。
18歳まで東京の日本デザイン専門学校(現:日本デザイン福祉専門学校)のグラフィックデザイン学科に通い、卒業後は大阪に戻ったあと、京都・亀岡市へ両親とともに移住。
スケッチブックに鉛筆や色鉛筆を用いて描く、繊細な動物画とコミカルなイラストが特徴。
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木村 康一 KIMURA Koichi
1976年生 | 京都市在住 | 陶芸
ユーモラスな表情のカッパや猿、あるいは、手足や目、鼻、口など身体のパーツが自在に組み合わされた生き物など、陶器にてオリジナルの「妖怪」を制作している。時に同じモチーフのものをいくつも作ることもあるが、基本的には一つ一つ異なる千差万別の作品を生み出している。小学生の頃に水木しげるの影響で妖怪が好きになり、模写から次第にオリジナルのものを描くようになった。修光学園に通い始めてから陶芸での制作を行うようになり、現在も学園では陶芸の立体物を作り、自宅ではB5サイズの紙に鉛筆で大量のドローイングを描いている。
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木村 全彦 KIMURA Masahiko
1984年生 | 京都市在住 | 絵画
色鉛筆を用いて、独特のタッチで絵画を描く。「キュニキュニ」という愛称で呼ばれるその細かなタッチが集積してできた画面は、独特の視覚効果を生み出し、見る人を惹きつける。モチーフはその都度、様々で写真や雑誌を見ながら描く。馬とバラエティー番組が大好き。
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国保 幸宏 KOKUBO Yukihiro
1974年生 | 絵画
濃いクレヨンと淡い絵の具を何層にも積み重ねる。何度も同じ道を巡る、終わりが見えない旅のような工程。時に独特のメロディーを口ずさみながら筆を走らせ、軽やかさと深遠さを紙に塗りこめて行く。彼の作品を持つとその重さに驚くだろう。
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櫻井 三郎 SAKURAI Saburo
1956年生 | 京都府綾部市在住 | 絵画
2015年ごろから入居する施設の中で絵を描き始めた。施設では当初は農作業をしていたが、体力的に合わなかったため、絵を描く班に移ったことがきっかけだという。別の作業所への送迎バスの窓からの風景や旅行で見た景色の記憶を元に描いたり、写真のたくさん載っているチラシやパンフレットを集めては、それらを見て描いている。モチーフとしてはバスなどの乗り物、道路、山などの風景に加えて、たくさん持っている動物のぬいぐるみが描かれることもある。
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TK TK
1968年生 | 絵画
2013年、あるワークショップへの参加をきっかけに絵を描きはじめる。人柄は寡黙、誠実、真面目。その人柄を表すような忠実な写実を画風とするが、モチーフを描ききれない時には紙の裏側にまで回り込んで続きを描く真面目さは、もはや一周回って型破り。やはり型にはまらない鮮やかな色遣いも美しい。
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西生 てる子 NISHINARI Teruko
1955年生 | 京都府城陽市在住 | 絵画
スケッチブックにオイルパステルで描かれた西生てる子の作品は、独自の方法によって生み出されている。まず最初のページにオイルパステルで少しだけ線を描き、次のページにも少しだけ線を描く。さらにページをめくり、同様に描いてはまたページをめくる。そうして、スケッチブックの最後に辿り着くとひとつ前のページへ戻り、また同じように描き重ねていく。その小さな行為の繰り返しによって線は幾重にも重なり、手で擦られ、ぼんやりとした色のかたまりがつくられていく。
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濱中 徹 HAMANAKA Toru
1948年生 | 京都府宇治市在住 | 絵画
19歳の頃に絵を描き始めて以来、独学で自分の世界観を描き続けてきた。独自に編み出した技法により生み出される繊細な絵の中には、鉱石でできたラジオに耳を傾ける蛙や、機械式時計の虫、オリジナル機能をもつカメラなどが登場し、一枚一枚の絵の中でさまざまな物語が展開されている。
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平田 猛 HIRATA Takeshi
1936年-2021年 | 京都市在住 | 絵画
毎日、ベッドの上でスケッチブックに絵を描き続けている平田猛。そこには内臓と思わしき丸で構成された人体や、文字、単純化された動物や、薬、窓の外の風景など、さまざまなモチーフが描かれ、休むことなく生み出されるそのドローイングは膨大な量となっている。
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廣川 照章 HIROKAWA Terufumi
1965年生 | 立体
廣川の暮らすグループホームの自室には、大量のダンボール箱が高く積まれている。それらは「箱」と呼ばれ、内側と外側から何重にもガムテープを巻きつけて梱包されたものである。「箱」の制作は自室に鍵をかけて進められるため何が入っているかは明確にはわからない。
「箱」は1日1個ほどのペースで作られ、日々増え続けていく。あまりにも生活を圧迫するため減らすようにスタッフが説得したところ、廣川は「命よりも大事なもの」な旨を伝えてきた。以来、廣川の意思を尊重しながら共存の道を探っている。 -
藤橋 貴之 FUJIHASHI Takashi
1963年生 | 京都市在住 | 絵画
20歳の頃より絵画制作を始め、自分の世界を広げる。想像の公園や街、写真で見た外国の風景などを、独自のゆったりとした、一定のリズムをもって、色鉛筆で細かく流れるように描く。本人の感性そのものである色彩とタッチが鮮やかな世界となって現出する。
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松原 日光 MATSUBARA Hikaru
1975年生 | 京都市在住 | 刺繍
旅行で見た船や飛行機、季節ごとに庭に咲く花々は大きな「刺繍の絵画」となって表現される。震災に心を痛めれば物憂げな動物がキャンバスに現れ、参拝した寺院に感銘を受ければ花びらに独特の模様が現れる。繰り返される毎日の中で繰り返される針の動きは、鮮やかな色彩を伴って松原の世界を紡ぎ出す。
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MAMEMI MAMEMI
京都市在住 | 絵画
絵を描くことと可愛いものがとにかく好きで、休み時間も絵を描き続けている。花がモチーフとなる絵が多いが、くまやうさぎなどの動物や人物が登場することもある。フラワーアレンジメントの雑誌や絵はがきなどを見ながらイメージを膨らませ、リズミカルに色鉛筆を躍らせている。
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光島 貴之 MITSUSHIMA Takayuki
1954年生 | 京都市在住 | 平面, 立体, インスタレーション
10歳頃に失明。大谷大学文学部哲学科を卒業後、鍼灸院開業。鍼灸を生業としながら、1992年より粘土造形を、1995年より製図用ラインテープとカッティングシートを用いた「さわる絵画」の制作を始める。1998年、「'98アートパラリンピック長野」大賞・銀賞を受賞。他作家とコラボレーションした「触覚連画」の制作や、2012年より「触覚コラージュ」といった新たな表現手法を探求している。また、触覚に着目したワークショップにも精力的に取り組んでいる。
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美濃 彩子 MINO Ayako
1993年生 | 京都府舞鶴市在住 | 絵画
以前はとある施設職員の気を惹くために、戦国時代など主に日本の歴史に関する作品が多かったが、彼がなかなか振り向いてくれないため、現在は「新しい恋人」として歌舞伎俳優の市川猿之助を描いている。多くの作品はボールペンで描かれ、その軌跡の往復が鋭さと揺らぎを兼ねた独特の線を生み出している。
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三原 巌 MIHARA Iwao
1932年-2021年 | 絵画
大阪で生まれた三原巌は聴覚障害があり、視覚からの映像で記憶することに注力し育った。京都市で生活を営み、仕事を退職した2001年頃から自身の記憶をもとにした絵の制作を始める。そこには第二次世界大戦中の描写が多くあり、戦時下の日常生活を描いたものもあれば、大阪大空襲の実体験を生々しく伝えるものもある。晩年は制作した絵を持って様々な場所に赴き、戦争体験を語り継ぐ活動を行なっていた。
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山口 愛 YAMAGUCHI Ai
1986年生 | 長岡京市在住 | 絵画
お気に入りのモチーフを繰り返し描くことが多く、真っ黒な瞳が特徴的な女の子もその1つだ。ケーキなどのスイーツは食べることも描くことも好きで、メモ帳に描いたシリーズは400枚に上る。見学にも行ったことがあるNHK放送局、空港もたびたび絵の中に現れる。デフォルメされた表現が多いが、より写実を意識した作品もある。
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米田 祐二 YONEDA Yuji
1991年生 | 京都府八幡市在住 | 写真
小学生高学年の頃より母親の携帯電話で写真を撮っていたという米田は、中学3年生の時にデジタルカメラを買ってもらったことをきっかけに本格的に写真を撮り始め、それ以来ずっと撮影を続けている。彼の写真には、近所の風景や毎日の食事、猫、ソフトクリーム、出会った人々、空など、日々の暮らしの中での彼自身の視点が映し出される。