自宅二階の一室、南向きの大きな窓のそばが松原さんのいつもの制作場所。様々な草木の育つ庭を見下ろす窓からは気持ちの良い光が降り注いでいて、古い手芸用品店から手に入れたという数百色の糸の収まる棚を背に、慣れた手つきで布に糸を通す様子を見せてくれた。
Profile
作家プロフィール
松原 日光 MATSUBARA Hikaru
旅行で見た船や飛行機、季節ごとに庭に咲く花々は大きな「刺繍の絵画」となって表現される。震災に心を痛めれば物憂げな動物がキャンバスに現れ、参拝した寺院に感銘を受ければ花びらに独特の模様が現れる。繰り返される毎日の中で繰り返される針の動きは、鮮やかな色彩を伴って松原の世界を紡ぎ出す。